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魔轟三鉄傑のあゆみ⑧【決戦! 魔道城塞-前-】

魔轟三鉄傑のあゆみ⑧【決戦! 魔道城塞-前-】

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

空に、城が浮かんでいた。

地平線まで見渡せる、なだらかな平原。
その上に、当たり前のように、浮かんでいた。

それを見て、紙の降臨と思う者はいないだろう。
城は禍々しい気に満ちていた--
世のすべてを嘲笑う邪悪な意志の具現であるかのように。

城と言うより世界を破滅へ導く魔神の頭蓋骨だと言われた方が、まだ納得できるというものだった。

シャティ

な、な、なんじゃありゃー!!

え?
ああいうもんじゃないの?
魔道城塞って。

シャティ

違います!
空飛びませんし、あんなオーラ出しません!

トゥーラ

どうせ、歌仙の力が働いているんだろうね。

ルディオ

あれなら空から他国のを侵略できる。
条約の存在を最大限に楯にする気だな。

その計画を実行に移さぬのは、シャティを取り戻せておらぬがゆえか。

メイフゥ

ならやはり、今のうちに叩くしかありませんね。

ルディオ

なるほどな……
そのために、こいつがいるわけだ。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

ルディオはリポニーから運んできた魔道翼に視線を向けた。

コレであそこに乗り込むのかぁ……
ホントに大丈夫?

操縦は任せてください!

不安!!!

いや、おそらくガトリンが適任であろう。
これはイメージにて飛ぶからくりのようでな。

ルディオ

俺はここからバリスタで援護する。
任せたぜ、魔轟三鉄傑。

トゥーラ

あたしたちは--

メイフゥ

ここで~♪ シャティを~~♪
守ルルーラララー♪

今さら申し訳程度の音楽性を発揮すんな。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

そして、リエン、ダムザ、ガトリンの3人が魔道翼に乗り込んだ。

それでは、参ります。
ガンナース--

空も飛べそうなイメージを注ぎ込まれた機体が、ふわりと浮かび上がり--

発ッ進ッッッ!!

即、音速の壁を突破した。

超高速で空を駆ける、鋼の希望ガンナース。

対してバラキーファは、その翼をもぎ散らさんと、無数の魔道迎撃ミサイルを発射した。

ガンナースは横にロールしてこれをかわすが、ミサイルはくるりと反転し、ガンナースを追尾し始める。

ルディオ

悪いが、備えは万全だ。

牙むくミサイルを、ひたりと見据えるルディオ。

ルディオ

こういうときは、この矢だな。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

バリスタの角度を微細に調整し、魔力で生み出した矢を発射する。

ドン--と空を震わせて飛んだ巨大な矢が、ガンナースを狙うミサイル群の中心へ滑り込み、カッとその場で砕け散った。

弾けた魔力の散弾は、ミサイルの群れを次々に爆発させ、意外などほどの美しさで空を彩る。

ルディオ

よし。
いい当たりだ。
さて、次に行こうか。

次の矢を装填しながら、ルディオが笑う。

その後ろ姿を見ながら、シャティは、あることを思い出していた。

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