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魔轟三鉄傑のあゆみ⑥【上級 登場! 馬鹿野郎!】

魔轟三鉄傑のあゆみ⑥【上級 登場! 馬鹿野郎!】

なに?
地獄三十六歌仙の目的が知りたいだと?
ふん!
この吾輩を見くびるなよ。
ゲスといえど、貴様らに口を割るほどヤワではない!

“ナンデモゲロール”!
ぞばっとな。

吾輩も詳しいことは知らないんだ~!
知識年ブック=ロウにいる歌仙から、命令を受けていただけなんだ~!
ゲロゲロ~!

ブック=ロウか……多くの賢者が集まり、日々、知識の研鑚と学術の探求に努める、まさに知識都市と呼ぶにふさわしい地よ。

そこにいる歌仙なら、シャティを狙う理由を吐いてくれそうね。

シャティ

すみません、みなさん。
わたしのために……。

いいっていいって。
気にしないで。
悪い連中をぶっ飛ばしたら、あたしたちの名も上がるってもんなんだから。

リエンの言葉に、しれっとついてきていたメイフウもうなずいている。

メイフウ

悪事を働く者たちを放っておけません。
古巣のことでもありますし、私もともに戦わせていただきます。

つかさ。あんたさ。

メイフウ

はいはい。
なんでしょ。

元地獄三十六歌仙だってんなら、なんでゲスタイガーのこと知らなかったわけ?

メイフウ

えーとですね。
私、人のカオを覚えるの苦手なタチでして。

アレですらか!!

あちらも、おぬしのことを知らなかったようだが。

メイフウ

よく言われるんですよねー影が薄いって。
だからスカルアクセサリー取り入れたんですけど、だめでしたねー。

シャティ

アクセサリーごつい……。

ははあ~、なるほど~。
わたくしにとっての注射器みたいなもんですね!

おいナース。

トゥーラ

あたしの光輪ともいっしょだね。

女神!?

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

それから数日、リエンたちが辿り着いたのは、どことなく厳粛な気配をまとった都市だった。

ここが、知識年ブック=ロウ……。

多くの賢者が集まり、知識の研鑽と学術の探求に努めているという……。

賢者

ヘイみんなー!
今日もメンコであーそぼーうぜーい!

賢者

ヒィヤッハー!
やるやるやるやるー!
俺のドメスティックマグナム-零式-がサイコーに火を噴くぜ~~っ!!

…………。

…………。

ふたりは、そろってダムザを振り返った。

賢者?

いや……うむ……なんか、こう……
アレなコトが……
起こっているのかも、しれぬな……。

嫌な予感しかないけど、調べてみるしかなさそうね。
歌仙がいるのはまちがいないんだし。

メイフウ

では、我々はこの子を守って待機しています。

トゥーラ

気をつけて行ってきな。

……あんたら、楽しようとしてない?

トゥーラ

ソンナコトナイヨ。

メイフウ

ナイヨー。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

賢者

鬼ごっこしようぜー!
俺バリアありー!

賢者

バリア貫通ー!

賢者

だめですー!
これ貫通できないバリアですー!

都市中がだいたいこんな感じだった。

なんにも 情報 得られない……。

待て、リエン。
中央広場を見よ。
何やら他とは様子の異なる男がおるぞ。

???

ヒューウ!
今日も遊んで遊んで遊びまくるゼーイェー!

賢者

ヒャー!
さすが大賢者バッカレイさまだぜー!
俺らの気持ち、つかんでるゥーッ!!

確かに、なんかこいかにもって感じね。
行ってみるわよ!

うむ!

賢者

ひぃー!
虫眼鏡で紙を燃やす遊びをしてたらヤケドしちゃったよ~~~!!

ハッ!
患者発見!
ぴーぽーぴーぽー!!

いきなり離脱するガトリンは放っておいて、リエンとダムザは中央広場に駆け込んだ。

ちょっと、そのこのあんた!
もしかして地獄三十六歌仙!?

バッカレイ

そうさ~!
知識の仙ロードを極めし知識魔、バッカレイさまだよ~~ん!

なーにが知識の仙ロードよ。
あんた完全にバカ丸出し……ハッ!?

びくり、と少女の身体が強く震える。
隣のダムザが、ハッとして振り返った。

どうした、リエン!?

……あっは。

ぬ?

あっれ~?
あたしら何しに来たんだっけ~。
なんかぁ~、忘れちゃった~あはは~。

こ、これは……!

まさか、とダムザはバッカレイを振り向く。

彼は、にやにやと締まりのない笑みを浮かべ、大げさに両腕を広げていた。

バッカレイ

これさ~俺の仙術なのよ~。
なんつーの?
ほら、よく言うじゃん?
馬鹿って言った奴が馬鹿?みたいな~?

馬鹿な。
そんなものはただの戯言--ハッ!

やっべぇー、かかったァー!
うっかつゥ~ゥ!!

ソッコーかかってるし~やだも~。
どーすんのこれ、なんも思いつかないんだけど~。
マジウケる~。

へらへら笑うだけのリエンとダムザを見て、バッカレイは満足そうにうなずく。

バッカレイ

結局さ~いくら知識をためたってさ~、それじゃ真理に辿り着けないわけよ~。
頭でっかちになるだけでさ~。

バッカレイ

だからさ~真理を悟るためにはさ~
まず頭を空っぽにしてさ~
つまりバカになんなきゃなんだよね~ハハーン。

ナース一丁へいお待ち!

バッカレイ

ごはあっ。

空からパラシュートで落下してきたガトリンが、バッカレイを押しつぶした。

あ、どうも、こりゃ失敬。
お薬出しときますね。
ぞばぞば。

倒れたバッカレイに注射器の中身をぶっかけて、とことことリエンたちのもとへと歩いていく。

ささ、リエンさん、ダムザさん!
ともに地獄三十六歌仙と戦いましょう!

ちょっと何いまの~ヤバすぎでしょあれ~。
意味わかんないんだけど~あはは~。

ちょーい、ちょいちょーい!
あっちね、あっちィ~!

おやややや……?
おふたりとも、どうされたんですか?
このガト子めに教えてください。

それがさ~マジでさ~ホントゲロヤバくてさ~。

やっべー、言葉出ねェー!!
ヒャッヒャッヒャ!

バッカレイ

む、無駄だよ~ん。
そのふたりは今、頭からっぽだもんね~。

よろよろと起き上がるバッカレイに、ガトリンは、むう、と注射器を向ける。

これはあなたの仕業ですか!?

バッカレイ

そのとおりさ~。
君にも真理を知ってもらうよ~ん。

いいでしょう。
ならばあなたには、慈悲の心を知っていただきます!

バッカレイ

よ~し、勝負だ~!

バッカレイ

『○○とハサミは使いよう』
○○に入る言葉は?

ぞば。

バッカレイ

火事場に発揮される力と言えば?

ナース力。

バッカレイ

カバを逆から読むと?

SUMATOPOPPIH(スマトポッピィー)!

バッカレイ

やるね……!

フッ……ナースがやらねば誰がやる!

ちょっとなにあれ~マジウケんだけど~。
あの子わかっててやってんの~?

素じゃね?

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

ぶっちゃけ仙術以外は大したことなかった。

イメジネイティブ・ロックオン!
ガトリン・チャンバー、ゴートゥーヘル!
ぞばばばばばばばば-!

バッカレイ

ぐはあー!
まいったー!

ぞばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!

バッカレイ

ま、まいった!
まいったから!

ぞばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!

バッカレイ

あひぃーーーーーーーーっ!!

執拗きわまる乱射を受け、バッカレイは白目をむいて倒れ伏した。

賢者

おや?
わたくしたちはいったい何を--?

賢者

きゃあ!
なにこの知性のかけらもない格好!
羞恥心があふれて止まらないわ!
まるで禁断の果実を口にした始まりの乙女の気分だわ!

バッカレイが倒れたことで仙術の影響が解け、ブック=ロウの人々が次々に我に返っていく。

あーやっと戻った。
笑いすぎてアゴ痛い……
助かったわー、ガトリン。

いやはや、これぞまさしく一生の不覚……。
しかしガトリン、なぜあそこまで乱射を続けたのだ?

ああいう患者さんには、荒療治あるのみですから。

どんなに医学が進んでも、なんとやらにつける薬はない……ってことですね。
フッ……。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

シャティ

う~ん……う~ん……。

横になって眠るシャティが、眉根を寄せ、うめき声を上げ続けている。

そのかたわらにひざまずき、様子を見ていたトゥーラが、真剣な表情でかぶりを振った。

トゥーラ

変わった子だとは思っていたけど……
この感じ……アレの影響を受けている、か……。

トゥーラ

この子から感じた“におい”の正体--
どうやらまちがっちゃいなかったらしいね。

メイフウ

あなたも、それに気がついていた……
というわけですか……。

ゆらり、とメイフウはトゥーラの背後に立った。

す--と細められた瞳から、氷柱のような視線が放たれ、突き刺さる。

メイフウ

まさかとは思っていましたが……トゥーラ。
あなたの招待は……。

黒猫のウィズ 魔轟三鉄傑

メイフウ

……女神……!!

トゥーラ

そうだよ。

メイフウ

あれ?

トゥーラ

ハナからそう言ってんじゃん。

メイフウ

でしたっけ?

トゥーラ

うん。

メイフウ

あっれー。

トゥーラ

だいたい、あんたも女神だろ。
正確には死神。

メイフウ

あ、わかりますー?
そうなんですよー。

トゥーラ

どこ中?

メイフウ

ラウワ=シムサ。

トゥーラ

あ、そこ後輩が行ってた。

メイフウ

奇遇ー。

シャティ

うーん!
うーん!!

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